STOTT PILATES®︎ 生体力学的原則
呼吸
精神と肉体への意識
身体意識は、動作様式の最適、不適切を識別するうえで必要です。呼吸は、集中力、自己認識を促進し、動作実行時に体を支えるツールです。
呼吸の立体的性質
胸郭は、3つの機械的な動きを示します。 上部胸郭の動き上部胸郭はポンプハンドルを強調して動きます。下部胸郭はバケツハンドルを強調して動きます。
最下位2つの肋骨は、キャリパー動作を示します。胸郭の立体的運動により、肺が全方向に拡張し、深層安定筋の理想的な長さと張力の関係が促進されます。胸郭の動きが制限される事で、不全なパターンが観察される場合があります。加えて、腰部骨盤帯の深層安定筋の活性がより困難になると考えられます。
筋肉の活性化
呼吸は、体内のガス交換を行うために使用されるメカニズムです。安定筋は、酸素から生成されるエネルギーへの好気性をもちます。さらに、呼吸筋は胸腔と腹腔内の圧力勾配を維持し、実行中のタスクに最適な安定性をもたらします。
現代的な解剖学を基本としたSTOTT PILATES®は 生体力学的原則に基づいてエクササイズを行います。
骨盤の配置
ニュートラル・ポジション
腰椎に自然な前凸曲線が存在し、深層安定筋の筋長は中間位にあります。この状態が、筋が適切な剛性と制御によって体に加わり、反応できる理想的な長さと張力の関係を提供します。骨盤のニュートラル位への配置は、効率的運動パターン促進に好ましい位置です。
インプリント・ポジション
オープン・チェーン、クローズド・チェーンのエクササ
イズを問わずニュートラルアライメントの維持ができない場合は、骨盤と腰椎の安定性確保のために採用されます。軽度の骨盤後傾と腰椎屈曲を複合させます。腰椎の通常の弯曲が屈曲方向へ向かい伸長します。腹筋群での弱化が確認される場合は、腹筋群を短縮位にする事で活性を維持することが期待できます。
胸郭の配置
骨格的接続
胸郭の胸部への直接的連結関係は、機械的な相互依存関係が確立されます。いずれかの領域における動きとアライメントが他方の領域に影響を与えます。胸郭の静的および動的なアライメントは、胸椎のアライメントの間接的評価を提供します。
筋肉的接続
腹壁は下位肋骨と骨盤に付着します。胸郭、胸椎、骨盤を適切な位置に保つためには、腹筋を働かせる必要があります。
脊柱の生理学的運動
脊柱は能動的吸気時に伸展し、能動的呼気時には屈曲します。静かに呼吸する際には、脊柱動作は最小にとどまるか皆無となります。安全性と制御を確保する為に、動作の如何なる場面でも必要に応じて呼気を用いて腹筋群を動員されます。
肩甲骨の可動性と安定性